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LTspiceによるFRA 位相余裕探索ソフト
LTspiceによるFRA 位相余裕探索ソフト
LTspiceで位相余裕を求めるのにFRAを実現しますが、1回のシミュレーションに時間がかかるため、パラメータを変えながらシミュレーションするには効率がよくありません。
このソフトはバイナリサーチを用いて位相余裕とその時の周波数を自動で求めることができます。
LTspiceで周波数伝達特性を求める方法について詳しい説明は、LTspice関連の書籍、よろしければ『2歩目からはじめるアナログ電子回路2〜LTspice編〜』をご覧ください。
ダウンロード
Auto FRA Ver.0.0(.zipファイル)
ダウンロード後は解凍ソフトで展開してください。インストールの作業はありません。
使い方
下準備
- example.ascを開いて信号源(A、Bのラベルも含む)、コマンドをFRAをかけたいファイルにコピーする。
- 「.step dec param Freq 10 10k 10」の行をコメントアウトし、問題なくシミュレーションができることを確認します。必要に応じて注入する振幅、周期波数、動作が安定する時間(シミュレーションのスタート時間)を調整してください。
- 準備が終わったらLTspiceを必ず閉じてください。
Auto FRAの操作
- Auto FRAを起動して、ascファイルを設定します。
- LTspiceのディレクトリが違う場合は設定しなおしてください。
- 探索範囲と試行回数を設定してください(詳しくは原理をご覧ください)。
- 探索中に位相の反転を検出した場合は警告が出るようになっています。警告を出さずに指定した試行回数になるまでシミュレーションをするには「Gainが正でPhaseが0以下でも警告しない」にチェックを入れてください。
- 設定が良ければ実行をクリックしてください。
- ascファイルを編集する際は、本ソフトが探索中でないことを確認してからLTspiceを起動してください。編集後は必ずLTspiceを閉じてから探索を実行してください。
原理
このソフトはバイナリサーチを使って位相余裕と0[dB]になる周波数を求めます。
従来のLTspiceのみで位相余裕を求める方法は指定した周波数範囲を全探索する手法でした。そのため、1回のシミュレーションに時間がかかる回路ではプロット点の数だけ時間がかかってしまいます。
設計し始めのときは0[dB]になる周波数と位相余裕がわかればいいだけなので、バイナリサーチを使って効率よく位相余裕を求めることができます。
具体的な動作は以下の通りです。
- 最初に決定した探索範囲の中心の周波数でシミュレーションを行う。
- Gainが正であれば、それ以下の周波数ではGainが正であるという仮定のもと、シミュレーションした周波数を探索範囲の左側として更新します。また、Gainが負であれば、それ以上の周波数ではGainは負であるという仮定のもと、シミュレーションした周波数を探索範囲の右側として更新します。
- 以降、2の動作を設定した試行回数だけ繰り返します(下図は試行回数5回のときの様子です)。
注意点
- バイナリサーチの特性上、探索点の前後で位相が反転していることは検出できません。本ソフトで大雑把に求めたあと、最後に全探索をすることをおすすめします。
履歴
2021/04/01 Ver.0.0 初版公開
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